創作

【オリジナル小説】『数は世界(バベル)を支配する』プロローグ、1-1【数学×能力バトル】

まえがき

どうも、書い人(かいと)です。

昨日『原論』が届いて、読み始めました(楽しいです)。

私自身、やる気を出したいということから、今までのWeb小説・ブログ記事よりは文字数を小出しにして書いていこうかな? とか思っています。

作風としては、ハードボイルドな感じの『数学×能力バトル(・アクション)』です。

まあ、極端にグロテスクな描写は嫌いなのでしません(グーグル広告・AdSenseの規約にも引っ掛かりそうですし)。

数学に関してはそこまで知識があるわけでも、理解が深いわけでもないですが、書きたいので書いていきます。

識者たちから、「お前、小説も数学も舐めてないか?」とか言われないか恐ろしい!!

本作、『数バベすうばべかずばべ。略称の読みの揺れは、ニホンとニッポンみたいなものです)』は、

数学に関する素養のある中高生あたりが、「なんか、数学って面白いのかな?」みたいに思ってくれることを祈って書いています(大人になってからの再学習の景気付け、みたいなノリでも、良き良き)。

大学生以降は噴飯(ふんぱん)もの、くらいでいいです。

数学・物理的な厳密さよりもケレン味重視ですが、それを、整合性に関する逃げ口上には使いたくない。

一定の筋は通すけど、複雑な方程式を出すのではなく『数学って凄いんだ!!』という印象を作ることができれば幸いに存じます。

では、本編スタートです。

プロローグ

その世界は、数式が力を持っていた。

物理作用などの局所的な書き換えは容易であり、人々はなんの疑問も持たずにその力を行使してきた。

傲慢な言い方をすれば、人が最も神に近付いた世界。

バベル。

それが、この世界の名前だ。

第1章-1 ”範囲数式”、『無限小』

「馬鹿かね、君たちは」
彼は、呆れた声と共に、自身と相対する殺し屋たちを見つめた。彼、トモカズは降雪の激しい真冬に似合う、黒のコートを着た中肉中背の、二十代前半と思われる青年だった。
トモカズの声に構わず、殺しを仕事とする男たちは、無言で発砲。
機関銃の射撃音が街の郊外(こうがい)の閑静(かんせい)な住宅街に鳴り響き、朝の静寂を破る。
鳥たちが騒いで逃げ出し、そして弾丸は一人の男、トモカズへと音速の三倍で向かっていく。
トモカズは鷹揚(おうよう)に手を広げて、機銃の弾を受け止めた。
トモカズの周囲には、とっくに範囲数式が展開されており、一定の威力で突っ込めば存在が擬似的に無限小になり、かき消される。ベクトルを殺された弾丸が元の大きさに戻り、弾丸は地面へと落下していく。その音は、空薬莢(からやっきょう)ほどには軽快な音ではなかったが。
「馬鹿な!! 最新型の弾頭だぞ!?」
下手人(げしゅにん)の一人が、騒ぎ立てる。銃を再装填(リロード)するものも居たが、戦意を喪失したものも居るようだ。要するに、統制が取れていない。
「通常の銃弾はベクトル変換式によって、反発系の範囲数式から逃れた上で、最終的には本来の着弾地点にその座標を修正する。
最新型といっても、その計算式の効率を、より良くした程度だろう。私の範囲数式の前では無力だ。
己の武器に、他人の強さ。その双方を理解していない。自らの愚鈍さを呪え。
摂理(せつり)を示そう」
トモカズの範囲数式が拡大、既に殺し屋たちを覆っていた。危険と悪寒を感じた男たちが、各々の声を発して逃げようとするが、身動きが止まった。
「ベクトル固定」
空間内に入っているトモカズ以外の存在は、外部に運動エネルギーを出せなくなった。簡単な数式だが、相手方の全身をくまなく覆って声も出せなくするのは、かなりの高難易度と言えるだろう。
「無限小、再復元」
トモカズの残酷な声が続く。処刑の宣告だ。
先ほどの銃弾同様、一旦(あくまでも、擬似的な範囲における)無限小となり、大きさが元に戻る――だが、完全に再構築するのではない。
分子、原子、素粒子以下のレベルでランダムな要素が発生し、血肉が元に戻るのだ。
その死体は『バラバラ』などといった表現ではまだ、生ぬるい。
液体と固形物となった、『殺し屋たちだったもの』を眺めることもなく、トモカズはその場を後にした。
自らが作り出したものとはいえ、血や死体を見るのは、気持ちが悪い。

あとがき

ちなみに、『再復元』というワードは多分存在しなくて、言葉としては『復元』だけでいいはず(『復元』よりも語感・語呂が良いので、そのままに)。

この言葉は直すか、別のかっこよさげな言葉を探して変えるか、今でも悩んでいます。

元々は、もっと膨大・莫大な勉強量が必要な小説(『Spicy World シリーズ』)を書いていたのですが、あまりにも執筆難易度が高すぎる!! というわけで、

一時的ではあるものの、手を止めざるを得なくなりました。

数学(疑似的なものかもしれませんが……)だけに絞って書けば、まだなんとかなるんじゃないの?

という、若干消極的な理由で書き始めたのが、この『数バベ』になります。

今後とも、別ジャンルの小説も複数書いていき、当サイト・ブログに掲載していければと思っていますね。

短くても良いから、できるだけ、しっかりと完成させていきたいですね!

完成を楽しみにしています!

ありがとうございました!!

afima link

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA